早期臨床開発の基本

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早期臨床開発とは

早期臨床開発とは通常、医薬品の初めてのヒトを対象とした試験を指し、一般に第 I 相および第 II 相試験と呼ばれています。

臨床開発のステージは通常、次の図のように、連続した複数の相で表されます。

医薬品開発を一連の連続した相によって表すことの背後にあるロジックは、以前の研究結果が以降の研究計画に影響を与えるという考えからきています。つまり、新たに得られたデータによって、開発戦略の修正が行われることがよくあります。

ただし試験の相は、各試験が実施される時点だけでなく、その目的にも基づいて分類されます。場合によっては、根本的な目的が異なる複数の相を組み合わせて試験が実施されることもあります。

つまり、医薬品の開発が進むにつれて、新しく得られたデータにより、一般には早期の相の一部となっている試験を追加で実施することが必要になる場合があります。たとえば人間薬理学試験は通常第 I 相で実施されるものですが、多くの人間薬理学試験は後期の各相でも実施されています (下図参照)。

早期臨床開発の目的

早期臨床開発における各試験は、新薬の安全性と忍容性に焦点を当てています。また、その薬剤に目的の効果があると示すことも目指しています。

早期臨床開発においては、次のような重要な質問に対する答えを得る必要があります。

  • 第 I 相

    • この薬剤はヒトにとって安全か。その場合、どのくらいのレベルが安全か。(忍容性)
    • 身体はこの薬剤に対して何をするか。(薬物動態 (PK))
    • この薬剤は身体に対して何をするか。(薬力学 (PD))
    • この薬剤には活性があるか。
  • 第 II 相

    • この薬剤は患者にとって安全か。(安全性)
    • この薬剤は身体に対して何をするか。(薬力学 (PD))
    • この薬剤は患者に効くように思われるか。その場合、どのくらいの用量か。(効果)
    • 検証的試験はどのようにデザインする必要があるか。(エンドポイント、標的集団、投与中のその他の薬剤 (併用薬) など)
    • どのような相互作用があるか。(薬物間相互作用、飲食物との相互作用など)

早期臨床開発の要件

医薬品の早期臨床開発を開始するには、まずその医薬品のヒトへの投与の安全性を支持する十分なデータが非臨床試験によって得られていなければなりません。次に、次のような臨床開発計画をまとめる必要があります。

  • 臨床プログラムの目的を確立している。
  • 概念実証を成功と見なすために満たされるべき要件を規定している。
  • 第 I 相および第 II 相臨床試験のデザインと実施法を説明している。

早期臨床開発における決定の方法

開発の決定はデータに基づいて行われます。開発を続行する前に、各試験の結果が慎重に検討されます。開発を続けるには、概念実証が達成され、投与スケジュールが選択されていなければなりません。医薬品の早期臨床開発で肯定的な結果が示されれば、その医薬品のさらなる検査を続行できます。早期臨床開発の最中に不明確な結果が出た場合、決定を行うには追加的な検査および評価が必要になります。医薬品の早期臨床開発で否定的な結果が示された場合、たとえば概念が十分に実証されなかったり許容できない安全性の問題が生じたりした場合は、医薬品の開発が中止されます。数多くの潜在的な医薬品が、この時点で開発の中止を余儀なくされています。

 

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