一般毒性試験

Last update: 24 9月 2020

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はじめに

毒性試験では候補化合物の安全性プロフィールを検討します。この試験では、化合物の体内における吸収、分散、代謝および分泌 (ADME) についての重要な情報を提供します。候補化合物は、最初のヒト志願者に投与できるようになる前に、多くの異なる種類の非臨床毒性試験で評価する必要があります。医薬品として販売承認を受ける前にさらに多くの毒性試験が必要とされます。次の論文で、非臨床プログラムに含むことが必要となる可能性のある様々なタイプの毒性試験について説明します。

毒性試験のタイプ

以下の種類の毒性試験は非臨床試験実施中に行う必要があります:

  • 全身毒性試験
    • 単回投与試験
    • 反復投与試験
  • 生殖発生毒性試験
    • 雄受胎能試験
    • 雌生殖発生毒性試験
  • 局所毒性試験
  • 過敏症試験
  • 遺伝毒性試験
  • がん原性試験

これらは以下のセクションで順を追って説明します。

全身毒性試験

全身毒性試験では、動物の組織や器官のすべてで候補化合物の毒性プロフィールを検討します。全身毒性試験は単回投与試験または反復投与試験のいずれかとなります。

生殖発生毒性試験

生殖発生毒性試験では、候補化合物が正常な生殖能および発生能に及ぼす影響を検討します。これらの試験は、候補化合物に暴露される集団に適する形で、なおかつ以下の検討事項に従って、実施しなければなりません。

  • 男性生殖器の評価が反復投与毒性試験で行われるので、雄受胎能試験の実施前に、男性を第Ⅰ相と第Ⅱ相の臨床試験に参加させることができます。もっとも、こうした試験は可能な限りプロセスの早い段階で行わなければなりません。いずれにしても、雄受胎能試験は、大規模な臨床試験や長期の臨床試験 (例えば、第Ⅲ相試験) の開始前に終了させなければなりません。
  • 妊娠が不可能な女性 (例えば、永久不妊となった女性や閉経となった女性) は、関連する反復投与試験 (女性の生殖器の評価を含む) が実施済みであれば、生殖発生毒性試験なしで臨床試験に参加させることができます。
  • 妊娠可能な女性が医薬品の潜在的な利用者集団の 1 人として特定される場合は、生殖発生毒性試験をできる限り早い段階で実施する必要があります。

局所刺激性試験

局所刺激性試験では、候補化合物が皮膚や目に及ぼす影響を検討します。この局所毒性試験は通常、全身毒性試験の一部となります。臨床適用経路以外の経路による限定的なヒトでの投与、例えば、絶対的バイオアベイラビリティの判定のための単回静脈内投与を可能とするには、単一の動物種を用いた単回投与による局所刺激性試験が適切であると考えられます。

遺伝毒性試験

遺伝毒性試験は候補化合物が染色体や遺伝子に及ぼす影響を検討し、ヒトへの安全性を裏付けるために通常必要とされます。遺伝子突然変異の評価があれば、すべての単回投与の臨床試験の裏付けに十分であると考えられます。反復投与臨床試験には、哺乳類系における染色体損傷の追加評価が必要であり、第Ⅱ相の臨床試験の開始前に一連の遺伝毒性試験を終了しておかなければなりません。遺伝毒性試験で陽性所見が認められた場合は、追加試験の必要性を検討しなければなりません。

がん原性試験

がん原性試験では、候補化合物ががんの発生に及ぼす影響を評価します。がん原性試験は、新薬の販売申請を裏付けるために通常実施されます。しかしながら、重大な懸念がある場合は、がん原性試験を臨床試験中に安全性強化のために実施することが推奨されています。このようなケースでは、頻繁にモニタリングしながら長期にわたる臨床試験が実行されます。一般的には、成人や小児患者の重篤な疾患に適応される医薬品に関して、早期に当該医薬品を利用することがリスクを上回る前提で、がん原性試験は早期に終了した方がよいものの、承認後に終了しても良いとされています。

添付文書

A2-2.02.4-v1.3

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