臨床試験における妊娠可能な女性

Last update: 16 10月 2020

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はじめに

臨床試験に妊娠可能な女性 (WOCBP) を含めることには、多くの懸念があります。主な懸念は、候補化合物が胎芽や胎児におよぼす潜在的なリスクとメリットを説明可能になるように分析するためのデータを十分に集める前に、候補化合物に対して胎芽や胎児を意図せず曝露することです。一定の状況では、胎芽や胎児用の非臨床発生毒性研究なしに、WOCBP を、早期の臨床試験に含めることができます。

妊娠可能な女性を臨床試験に含めること

最近、開発プログラムの早期に女性の臨床試験への参加拡大が行われています。女性の安全な参加を確保するには、妊娠するリスクを最小限にする必要があります。リスクを最小限にする方法は、次を含めて複数あります。

  • 候補化合物のリスク プロフィールを明確化する生殖器毒性試験の完了。
  • 臨床試験中の避妊措置を推奨し、リスクを緩和または最小化。注意事項には、次が含まれます。
    • 正確な妊娠検査 (ヒト絨毛性ゴナドトロピン (hCG) に基づく検査など)。
    • 有効性の高い受胎調節の使用 (1% 未満の失敗率)。
    • 確認した月経期の後にのみ試験参加を許可。

バイオテクノロジー由来医薬品など、一部の事例では、適切な動物モデルを使う胎芽や胎児用の発生毒性試験を実施しにくい場合があります。その場合、胎児奇形のリスクを最小化するため、複数のオプションを検討します (催奇形性のリスク)。

  • 胎芽や胎児に対するリスクの可能性を参加者に伝達。
  • 可能な限り明確で役立つインフォームド コンセント。
  • コンプライアンスを確保するための参加者のトレーニング。
  • 試験中の妊娠検査。
  • 胎児曝露の程度と化合物に関する作用機序の知識。
    • たとえば、モノクローナル抗体の場合は、ヒトでは臓器発達 (器官形成) 中の胎芽や胎児の曝露は低いです。この知識に基づき、発生毒性試験を実施できます。

妊娠可能な女性を臨床試験に含める前に、通常、予備的な生殖器毒性データを 2 種の動物について確認するようにします。臨床試験において避妊の注意をするならば、最終的な生殖試験を実行するに比較的短期間 (最大 3 か月)、妊娠可能な女性 (最大 150 名) を試験に含めることができます。この方針の正当性は、この規模と期間における対照となる臨床試験において妊娠率が非常に低いこと、および適切にデザインした予備的試験においてほとんどの発生毒性を検出できることです。

臨床試験に妊婦と小児を含める特別の状況では、関連するすべての非臨床データを活用、分析し、出来れば非妊婦についてヒトの曝露に関する情報を取得し、臨床状況における有効性と安全性を支持するための評価をする必要があります。

A2-2.02.5-V1.2

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