Last update: 11 7月 2023
はじめに
治験のデータが強固で、規制上の要件と支払者の要件を満たすことを保証するための適切な手段を講じることを目的にした、Genzyme、International Pompe Association (IPA) (英国・オランダ・米国のポンぺ患者会)、Erasmus Medical Center、および Duke University による協力関係です。
ケースの説明
ポンペ病は、リソソーム酵素の欠乏を原因とするまれな遺伝性神経筋疾患です。GAA 酵素が <1% 未満の乳児は乳児発症 (IO) の形態を示し、通常生後 1 年以内に死亡しますが、ある程度 GAA の残留活性を有する患者は、乳児期から後期成人期まで、神経筋脱力や歩行および呼吸器系の問題を呈する場合があります。1990 年代にポンぺ病のノックアウト マウスを用いて Erasmus Medical Centre (EMC) と Duke University で行われた研究で、治療法として酵素補充療法が有望であることがわかりました。臨床および製造の開発についての議論は、学府や患者団体 (PO) と共同で定期的に行われました。疾患進行が非常に早いという理由から、治験はまず IO の乳児で始まりました。しかし、この病気の希少性のため (約 40,000 の出産当たり 1 件)、募集は大変でした。PO は、試験に関する情報を広めること、世界中の患者を特定すること、滞在場所を見つけること、親のサポートなどの支援を行いました。小児と成人を対象とした試験の場合、PO は募集や、Genzyme と治験責任医師による評価の審査を支援し、承認後もこれらの長期プラセボ対象試験 (18 か月) に残留することを奨励しました。IPA の患者代表も EMA の口頭説明に出席しました (第 1 回)。IPA は EMC と共同で (Genzyme による財政的支援を受け)、治療が利用可能になる何年も前に、業界から独立した患者報告結果のアンケートを作成しました。これは償還の議論を支援するうえで重要であることが証明されています。
関与する患者 (権利擁護者) のタイプ
- 個人的な疾患を持つ患者
- 病気に関する優れた専門知識があり、優れた研究開発 (R&D) 経験があるエキスパート患者/患者の権利擁護者。
- 専門の患者権利擁護者。
患者が関与するベネフィット
希少疾病に関する私たちの開発計画や治験実施計画書評価の一部審査について、PO との定期的なコミュニケーションが行われています。これは最近、実施されている行動規範により、はるかに困難になっています。標準業務手順書には (まだ) 患者との協力関係を導入していません。
課題と障壁
プログラムの開発チームにとって、治験実施計画書を完成させ、試験を進めるためのスケジュールは非常に厳しいものです。これらのチームには多くの場合、治験実施計画書の開発に別の層 (科学、開発、規制、安全性、毒性、臨床薬理学などの経営陣以外) の意見を追加することに抵抗があります。PO から適時に意見を得て、募集、スクリーニング脱落の減少、評価の完了の向上などの観点から長期的なベネフィットを説明することによって、これは価値があると社内のプロジェクト チームに納得させることができます。国によっては、直接連絡することが難しいという問題もあります。その場合は、国内の PO に連絡して一緒に治験実施計画書を審査するよう、治験責任医師に依頼しました。社内における秘密保持の懸念は、PO との秘密保持契約によって解消されました。これにより、自由で率直なコミュニケーションが可能になりました。最後に、IPA 患者調査は貴重な患者報告結果 (PRO) や多くの出版物を提供していますが、原データ検証が行われていないため、規制当局や支払者にとって信頼できるものであると見なされません。これは将来的に適用できると考えられています。
学んだこと
学んだ教訓
- 始めに、学術界の専門家、PO、内部のプロジェクト担当医師の 3 人を任命し、コミュニケーションのルールを決める。
- データが強固で、規制上の要件と支払者の要件を満たすことを保証するための適切な手段を用いて、PRO 手段が疾患向けに作成・検証されていること (患者にとって最も重要なこと) を確認する。
- 比較できるように、治療が利用可能になる何年も前に PRO を使用して自然史研究を開始する。
- 治験実施計画書への最も貴重な入力は、評価やそれらの実現可能性などを審査することで、それを標準にすべきである。
- PO を通じてプログラムの更新を広めることによって、コミュニティに絶えず適切な情報を提供する。
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