小児用医薬品:規則および他の影響を及ぼす要因

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小児用医薬品の開発に適用される規制

EUでは、単独の法律が小児用医薬品の開発と小児に用いられる医薬品の認可に適用されます。EU 規則 (EC) no. 1901/20061 および (EC) no. 1902/20062 では、小児を医薬品開発の初期の段階で参加させるよう求めています。医薬品の効果に対する理解が進み始めた、ヒトを対象とする最初の試験が完了した時点において、小児調査計画 (PIP) の提出が義務付けられています。また、法律では、この義務を遵守して PIP を期限内に提出した者にインセンティブが付与されます。

米国では、2 つの法律が小児用医薬品の開発に適用されます。1 番目の法律は Pediatric Research Equity Act (PREA) (2003) で、多くの事例において小児計画が義務付けられ、小児の評価への合意を求めています。対象は以下のとおりです。

  • すべての年齢層
  • 生物学的医薬品および
  • 希少疾病

PREA では、小児の評価を成人と同じ疾病または症状の治療に適用するよう求めています。免除および延期を要求できますが、承認申請を米国食品医薬品局 (FDA) に提出する前に合意する必要があることを言明しています。

2 番目の法律は小児最良医薬品法 (BPCA) (2007) で、任意選択ですが、BPCA の手続きを完了するとインセンティブが付与されます。ジェネリック医薬品の市場への投入が禁止される期間が、当該医薬品に限り 6 か月延長されます (Voluntary Paediatric Exclusivity (PE)) 。手続きの結果、FDA に書面によるリクエストが行われ、小児試験が始まる前に合意がなされる必要があります。企業が合意すると、法的拘束力が生じます。Voluntary Paediatric Exclusivity (PE) に関する法律により、書面によるリクエストに従って小児試験を完了した者に対し、インセンティブが付与されます。生物学的医薬品は除外されます。

すべての米国の法律は有効期限が定められており、有効期間満了時に米国議会による再承認が必要です。PE 法は FDA Safety & Innovation Act (FDASIA) として 2002 年に再承認されました。FDASIA では、通常は臨床開発の第 II 相が完了する頃に、FDA と早期小児検討を行うことが義務付けられています。

EU、米国、日本以外では小児に関する法規制は存在しませんが、将来はこの状況が変わるかもしれません。上記のように法律はありませんが、一部の市場では市販承認に現地の小児データが必要となります。

このような法律のため、小児を考慮することなく医薬品開発を行うことは現在では不可能です。これにより、小児の開発は成人開発と併せて行われることが多くなり、結果として小児の開発は増加の一途をたどっています。このため、より多くの医薬品が小児用に開発されています。

EUと米国における小児向け法規制の比較

下表で、EUと米国における小児向け法規制を比較します。

EUと米国における小児向け法規制の比較表
米国EU
法的根拠2 つの別個のプロセス:
Pediatric Research Equity Act (PREA) (要件)
小児最良医薬品法 (BPCA) (インセンティブ)
法律の下で統一:
小児用医薬品に関する規制 (1901/2006)
小児集団の定義16 歳未満18 歳未満
適用範囲すべての新製品、有効成分、効能、剤形、投薬計画、投与経路に対して義務付けられています。すべての新規医薬品販売承認申請 (MAA) および特許により保護された既承認製品 (効能、剤形、投与経路の追加) の変更に対して義務付けられています。
機密性小児の計画は機密情報であり、小児の試験の概要のみが公表されます。小児調査計画 (PIP) の決定が公表されます。
開発開発に際し、小児に対する要件の検討と関連する試験の実施が推奨されます。PIP についての明確な情報が開発の初期段階で要求されます。
生物学的製剤承認申請 (BLA) / 新薬申請 (NDA) / 医薬品販売承認申請 (MAA)小児データおよび/または免除の要請および/または小児要件の延期が申請書に含まれていない場合、提出は拒否されます (情報の事前承認は不要です)。MAA に事前承認された PIP または放棄/延期が含まれていない場合、提出は拒否されます。
手続き一般的に、開発中にフィードバックを得るための手続きとスケジュールはフレキシブルです。手続きは厳格で、スケジュールを厳守する必要があります。
審査機関小児審査委員会 (PeRC) による勧告は拘束力がありません。米国食品医薬品局 (FDA) が最終決定権を持っています。小児委員会 (PDCO) による勧告は拘束力があり、ヒト用医薬品委員会 (CHMP) と矛盾する可能性があります。
小児集団における異なる効能の検討FDA は、申請者が承認を得ることを計画していない効能に関する小児の調査を要請することはできません。PDCO は、成人でターゲットとしていたものとは異なる効能を小児集団で調査するよう要請できます。
申請時に受領されるデータ米国のデータが必要となります (特殊な状況の場合のみ、米国以外のデータが許容されます)。米国以外のデータは、米国の要件に沿って実施された場合は”補助的”に含めることができます。世界各地のデータが受理されます。
Post-Marketing小児に対する安全性の公的審査が求められます (小児諮問委員会)。小児に対する安全性の公的審査は不要です。

参照文献

  1. European Parliament (2006).Regulation (EC) No 1901/2006 on medicinal products for paediatric use.Retrieved 31 August, 2015, from http://ec.europa.eu/health/files/eudralex/vol-1/reg_2006_1901/reg_2006_1901_en.pdf
  2. European Parliament (2006).Regulation (EC) No 1902/2006 amending Regulation 1901/2006 on medicinal products for paediatric use.Retrieved 31 August, 2015, from http://ec.europa.eu/health/files/eudralex/vol-1/reg_2006_1902/reg_2006_1902_en.pdf

A2-1.18.5-v1.3

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