医薬品の働き:刺激と抑制

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医薬品を摂取もしくは投与すると、医薬品の有効成分が血液循環に入り、目的の標的まで血液中で運ばれます。医薬品が、それを必要とする部位まで届くと、その部位にある細胞と相互作用し、望まれる効果を発揮します。

ほとんどの医薬化合物は特定の細胞タイプによって認識され、細胞の表面で作用するか、細胞内へと吸収されます。この現象は、体内の細胞には受容体と呼ばれる分子が細胞表面にあるために生じます。医薬品は、鍵が鍵穴に合うように、標的受容体に付着し、これが契機となって、細胞内に反応が起こり、作用を始める (刺激) か、作用を止める (抑制) かします (下図参照)。このようにして、刺激と抑制が細胞活動に影響を及ぼしています。

刺激

一部の医薬品は体内で自然に生じる分子と同じ働き方を示します。たとえば、モルヒネやそれに類似した化合物はエンドルフィン (体内で自然に生成し、痛みを緩和する化学物質) の作用を模倣します。モルヒネはエンドルフィンと同じ受容体と結びつくことで痛みを緩和する働きがあります。

抑制

細胞の受容体を遮断し、自然に生成する分子が通常の作用を発揮できないようにする働きをする医薬品もあります。この一例を挙げると、ベータ遮断薬と呼ばれる薬物群がありますが、これは心臓の疾患などを治療するために用いられています。高血圧や心臓発作のリスクのある患者がベータ遮断薬を摂取すると、遮断薬はベータ受容体と結びつき、その受容体を遮断します。別の言い方をすると、自然に生成した分子 (アドレナリンやノルアドレナリン) が受容体に到達できず、心臓を過剰に刺激しなくなります。

ある受容体に非常に特異的な医薬品は多くの場合、特異的でない医薬品よりも良好な副作用プロファイルを有しています。非常に特異的な医薬品であっても、受容体との結びつきは一時的なもので、一定時間が経過後、医薬品は受容体を解放し、対外へ排出されます。

A2-1.06.2-V1.1

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