Tetiana Zamorska 氏へのインタビュー

Last update: 25 7月 2023

インタビュー記載

ウクライナ出身の Tetiana Zamorska です。ウクライナの首都キエフに住んでいます。息子が表皮水疱症というまれな皮膚障害をもって生まれました。バタフライ・チルドレン (蝶の子供) と呼ばれ世界に知られている病気です。つまり、この病気で生まれた子どもの肌は非常に、極端にもろいのです。息子のおかげで私の人生は完全に変わりました。彼のおかげで、私は患者の権利擁護者になれたのです。

息子が生まれた時、私たち家族は以前と同じ、つまり彼が生まれる前と同じ暮らしを続けようとしました。つまり、夫と私はともにキャリアの開発に関わっていました。ところが、息子が 10 代に成長し、14 歳になる今、病気がさらに悪化しました。これにより、私個人は、基本的にキャリアを断念し時間と労力をこの病気に、息子とウクライナの他の患者の病気にすべてを捧げなくてはなりませんでした。

私はウクライナで最初の非政府組織の創設者の 1 人となり、息子と同じ患者を支援しています。この組織をウクライナ人とスウェーデン人の 2 人の皮膚科専門医と創設しました。5 年前のことでした。自信を持って言いますが、私たちの Debra Ukraine Organisation の前にはウクライナには何もありませんでした。知識も、情報も、記録もありませんでした。ウクライナのいたるところでこの病気に悩んでいる人たちは、同様に生き、悩み、この病気の対処法も治療法もわからない患者が他にもいることを知りませんでした。5 年にわたって自分のキャリアと NGO 活動を両立しようと努めてきましたが、最後の年にこの妥協案もますます不可能になりました。私は決断をし、NGO 活動に完全に絞ることにしました。

5 年間活動してきた現時点で、ウクライナでの努力の甲斐があり、自分で誇りに思えることがあります。既に登録があることです。約 200 名の患者をウクライナで見つけました。患者たちはみな、病気のこと、必要な薬の種類やドレッシング材 (創傷被覆材) 交換、包帯のことを、私たちの組織の努力で知っています。これらの購入場所も知っています。さらに私たちは慈善活動も行っています。寄付を募り、1 年に数回、無料で医薬品を家族に支給しています。医薬品でいっぱいのとても高価な箱です。

他にも、2 年前に希少疾病に関するウクライナの新しい法律が採択されました。患者の権利擁護者として、ウクライナの歴史のこの特別な瞬間に最も重要なことは、政府からのバタフライ・チルドレン支援に向けた法案の熱心なロビー活動であると理解しました。これは私の考えを大きく変え、募金活動やプロジェクトにスポンサーのお金を使うことだけに集中すべきではないと悟りました。病気はとても費用がかかるため、支援は常に不十分であるからです。患者 1 人あたり 1 月あたりの費用は 1,000 米ドル相当から 5,000 ~ 6,000 ドルあるいはそれ以上にもおよびます。ウクライナの家庭では子供の看護をする余裕もなく、このような費用を賄えません。

そういうわけで、ロビー活動を始め、患者の真の権利擁護者になって患者の前面に立ち、政府と対話することが重要だったのです。政府とは、ウクライナの保健省であり、予算配分を決定する財務省でした。2016 年が、表皮水疱症患者に実際に手当てが配分された最初の年となりました。私は現在このプロセスで、結果を達成するよう支援しています。最初の結果によれば、今年国の費用で私たちの患者は最初の医薬品を受け取れるはずです。

元々私は弁護士で、法律の学位を 2 つ持っています。法務・財政業務の種類の知識や経験だったこともあり、以前のキャリアで得た知識を適用し、患者の権利擁護のためすべて活用します。なぜなら、医薬品の費用の計算が必要な場合は必ず、財政面の知識を適用する必要があるからです。医薬品供給を体系化するときは必ず、製薬会社と契約を結び、契約する必要があるドナーへの助成金の申請をしなければなりません。ここで、私の法律の背景知識が十分に活かされます。

法律改定について、患者へのアプローチ変更について、服用すべき医薬品の意思決定に関与すべき全分野での患者の関与について、知らされるべき副作用の種類についてです。将来の治療への希望を持ち、生活していけるよう、ウクライナ国外の研究開発分野の新たな発展に関する情報と知識についてです。

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