HTA への患者の関与のためのガイダンス

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公開済み、引用可能: Hunter A, Facey K, Thomas V, Haerry D, Warner K, Klingmann I, May M and See W (2018) EUPATI Guidance for Patient Involvement in Medicines Research and Development:Health Technology Assessment. Front.Med.5:231. doi: 10.3389/fmed.2018.00231

医薬品研究および開発プロセス全体での患者の関与のための包括的原則

欧州患者アカデミー (EUPATI) は、患者団体、大学、非営利団体、製薬会社のパートナーの33 の団体からなる全欧州革新的医薬品イニシアティブ (IMI) プロジェクトです。EUPATI 全体で、「患者」という用語は、あらゆる疾患にあるすべての年齢層のグループを意味します。EUPATI は、疾患固有の問題または治療ではなく、一般的に医薬品の開発のプロセスに焦点を当てています。適応症に関する情報や、年齢固有のまたは特定の医学的介入については、医療従事者や患者団体が扱うべき分野であり、EUPATI の活動範囲には含まれません。詳細については eupati.eu/ をご覧ください。

医薬品の開発と評価に関与している専門家の大部分は、民間部門および公的部門に所属する科学者です。特定の疾患を伴って生活することがどのようなものあるか、ケアがどのように行われ、医薬品が日々どのように使用されているかを理解するために、患者の知識と経験を引き出す必要性はますます高まっています。これらの情報は、新たな効果のある医薬品の発見、開発、そして評価を改善するのに役立ちます。

様々な状態の、あらゆる年齢層の患者やその代表者、その他の利害関係者との構造化された相互作用は必要であるとともに、医薬品の使用者の見解を検討でき、かつ検討すべき場所である国内およびヨーロッパにおいての情報交換や建設的対話を可能にします。医療制度だけでなく、医療行為、法制度も異なる可能性がある点を考慮に入れることが重要です。

私たちは、医療専門家団体、受託研究機関、患者および消費者団体*、学界、科学および学術団体、規制当局および医療技術評価 (HTA) 機関および製薬業界などの、さまざまな利害関係者との緊密な協力と提携を勧告します。患者の関与により、患者とその他の利害関係者間の透明性、信頼、そして相互尊重が向上することは、これまでの経験が示しています。医薬品の発見、開発および評価への患者の貢献が、利用できるエビデンスと見解の質を高めることが知られています。[1]

さまざまな利害関係者との患者の関与に関する既存の実施基準は、研究開発 (R&D) の全範囲を網羅しているわけではありません。EUPATI のガイダンス文書は、医薬品の研究開発プロセス全体への患者の関与の統合をサポートすることを目的としています。

これらのガイダンス文書は、規範的なものではなく、ステップごとの詳細なアドバイスを提供することを意図したものでもありません。

EUPATI のガイダンス文書は、医薬品の研究開発 (R&D) プロセス全体への患者の関与の統合をサポートすることを目的としています。個別の状況、国内規制、またはそれぞれのやりとりの独自の必要性によりガイダンスから逸脱することも考えられます。本ガイダンスは、最良の専門的判断を用いて個々の要件に適応させる必要があります。

患者の関与を扱う個別のガイダンス文書が 4 種類あります。

  • 製薬業界主導型医薬品 R&D
  • 倫理委員会
  • 規制当局
  • 医療技術評価 (HTA) 。

各ガイダンスで患者の関与の機会が現在ある分野を示しています。このガイダンスは、進展を反映するように定期的に見直し、改定する必要があります。

本ガイダンスでは、医療技術評価 (HTA) における患者の関与について扱います。

以降に策定するガイダンスはすべて、4 つの EUPATI ガイダンス文書で述べたやりとりを扱う既存の国内規制と整合する必要があります。

免責事項

EUPATI のガイダンスは、医薬品の研究開発 (R&D) ライフサイクルを通して、医薬品の R&D への患者の関与の統合をサポートすることを目的としています。

これらのガイダンス文書は、規範的なものではなく、ステップごとの詳細なアドバイスを提供することを意図したものでもありません。このガイダンスは、特定の状況、国内の法律、または各相互作用の必要性により使用するべきです。本ガイダンスは、最良の専門的判断を用いて個々の要件に適応させる必要があります。

本ガイダンスが法的問題に関する助言を提示している箇所については、明確な法的解釈として提示されたのでも、正式な法的アドバイスの代わりとなるものでもありません。正式な助言が必要であれば、関与する利害関係者がそれぞれ、法律に関する部署があれば相談するか、管轄の情報源から法的な助言を求める必要があります。

EUPATI は本ガイダンスの利用により生じた、いかなる内容のいかなる結果についても責任は負いかねます。

EUPATI プロジェクトは助成金契約番号 115334 のもと、革新的医薬品イニシアティブ合同事業からの支援を受けました。これは欧州連合の第 7 次枠組みプロジェクト (FP7/2007-2013) と EFPIA 企業の出資金からなる財源援助です。

適用範囲

このヨーロッパ向けガイダンスは、ヒト用医薬品に関して、健康技術評価 (HTA) 機関と患者の間のやりとりを扱います。.「患者」は、個人としての患者、そのケア提供者、または関連する専門知識を持つ患者組織の代表を意味します (4 項)。

HTA プロセスは医薬品以外の介入に適用されます。しかし、本ガイダンスはEUPATI の任務に従って介入に焦点を当てていません。図 1 は、現在医薬品の R&D のライフサイクル全体で患者が現在どこに関与しているかを示しますが、その関与の制限を目的としたものではありません。関与の機会は時間の経過とともに変化し、増加する可能性があります。

ガイドラインは、HTA プロセスへの参加にフォーカスし、患者の見解の科学的な収集 (つまり患者の視点、経験および意向に関する定量的および定性的研究) を除外しています。

ガイダンスは、複数の研究のアウトカムおよび多様な国内および国際組織が実施した合意形成プロセスをもとにしています。また、個々の HTA 機関のグッド プラクティス事例も参考にしています。これらの情報源は随時、本ガイダンスの中で言及しています。

「患者」を定義する

「患者」という用語は、さまざま共同プロセスの中で患者、患者の擁護者および患者団体から要求される異なる種類のインプットと経験を反映しない不正確な用語として一般的によく使用されます。

本文書およびその他の EUPATI のガイダンス文書で提示されている患者の相互作用の潜在的な役割について用語を明確化するため、私たちは以下の定義で「患者」という用語を使用します。

  • 「個々の患者」とは、疾患と共に暮らしているという個人的経験を伴う人を意味します。「個々の患者」は、 R&D または規制プロセスに関する技術的知識を持っているかもしれませんし、持っていないかもしれませんが、彼らの主な役割は、自身の主観的な疾患と治療の経験で貢献することです。
  • 「介護者」とは、家族または仕事として、あるいは有償またはボランティアのヘルパーのように、個々の患者をサポートする人々を意味します。
  • 「患者の権利擁護者」とは、特定の疾患とともに生きる患者のより大きな集団をサポートする洞察と経験を持つ人々を意味します。「患者の権利擁護者」は、組織と提携している、または提携していない可能性があります。
  • 「患者団体の代表者」とは、特定の問題や疾患領域について患者団体の総括的な意見を述べることを委任された人々を意味します。
  • 「患者専門家」は、疾患固有の専門知識に加えて、トレーニングや経験を経て R&D や規制関連業務の技術的知識があります。たとえば EUPATI フェロー は医薬品 R&D 全般に関して EUPATI のトレーニングを受講した専門家です。

意見が主観的で非難の対象になるという理由で、個々の患者を利害関係者との共同作業に関与させるのを留保するかもしれません。しかし、EUPATI は、規制当局と連携して個人の関与を排除することなく、公平性の価値観を浸透させます。患者タイプと活動内容の点で最適な患者の代表を選ぶやりとりを開始する機関の裁量に任せるべきです (7.1 項参照)。個々の患者が関与する場合は、もし存在すれば、関連患者機関に通知したり、支援や助言の相談をしたりすることを提案します。

関与前に、いかなる共同プロセスに関しても、関与する人の意見や義務の種類は合意を得ておく必要があります。

ガイダンスの根拠

HTA は、Health Technology Assessment (医療技術評価) の略称です。HTA の目的は、医療政策立案者による意思決定に対して情報を提供することです。これは医療技術 (医薬品や医療機器など) を検討する体系的なプロセスで、以下を評価するのに使用されます。

  • 臨床効果 (最良の治療基準と比較して、国内の医療制度の中で医薬品がどれぐらい効果を発揮したか)
  • 費用対効果 (最良の治療基準と比較した、医薬品の長期費用およびベネフィット)
  • 医療制度と個人としての患者の生命への社会的および倫理的影響

このプロセスにより、医療技術を使用すべきかどうか、使用する場合はどのように使用するのが最適か、その技術からベネフィットを受ける可能性が最も高いのはどの患者なのかを知ることができます。評価は多岐に渡りますが、その技術を使用することによる医療ベネフィットとリスクのほとんどを明らかにすることができます。コストや、その技術が集団や社会に与える可能性のある幅広い影響についても予測できます。[2]

HTA は、国際的なエビデンスを評価しますが、国内の医療制度の中で新薬が付加する価値を理解するため、国内の医療環境で適用されます。HTA は、国内、地域または医療施設レベルで実施されます。

HTA における患者の関与の重要性は幅広く認識されるようになってきました。患者は HTA の決定により直接的影響を受けます。患者は主要な利害関係者であり、関与する「民主的権利」を持っています。[3] HTA は、科学的エビデンスと意思決定の間を埋めるものと考えられており[4]、その結果、HTA への効果的な患者の関与をサポートする科学的および民主的理由の両方が存在します。

患者は、自身の状態と治療が日々の生活に及ぼす影響について、情報とインサイトを提供できます。これは、他のところでは手に入らないものです。患者は、彼らにとって重要なアウトカムについて説明し、その健康願望に関する見込みに対して挑戦し、新技術および既存技術が彼らの健康や生活し仕事をする能力に及ぼす潜在的にプラスおよびマイナスの影響について、HTA に情報を提供するユニークな立場にいます。

はじめに

HTA への患者の関与の範囲は、ヨーロッパの国々および地域の中で大きな差があります。一般的に、HTA は積極的に患者のサポートをする機会もあるものの、現在も臨床効果および/または費用対効果を決定する量的エビデンスにフォーカスしています。[5][6][7]

 そのプロセスへの患者の関与を最適化するため、HTA 機関によって提供される患者へのサポートの範囲と内容は大きく異なります。[2][6][8]

HTA における患者の関与は、国内および地域レベルで決定され、欧州の法制によって規制されていません。

HTA 機関と患者団体は、患者の関与が及ぼす HTA のプロセスおよび/またはアウトカムへのよい影響について報告しています。患者の関与のさまざまなアプローチによる影響に関する体系的な研究はわずかなものの[7][9][10]、利用可能なこれらの事例研究によると、患者の関与は明確な影響を与えています。HTAi および ISPOR などの機関は、エビデンス ベースを構築し、患者の関与のために資料のレポジトリを提供しています。[11][12]

EUnetHTA によって開発された HTA Core Model® (バージョン 3.0)[13] (ヨーロッパにおいて HTA を生み、貢献するための政府が任命した組織、地域機関および非営利団体のネットワーク) は、HTA に必要なエビデンスの種類と情報源を要約し、HTA 機関のための詳細なテクニカル ガイドラインを提供しています。患者は、エビデンスの潜在的な情報源として含まれています。HTA Core Model® は、HTA の知識を持つ専門家を対象とし、より広範囲での HTA プロセスにおける患者の関与のトピックは、その対象からはずれます。

そのため、グッド プラクティスを促進し、EUnetHTA の作業を保管する、ヨーロッパ全体を対象にした HTA における患者のやりとりに関するガイダンスが必要とされています。

ガイダンスの目的

次の価値はガイダンスで認識されており、提案されている業務慣例の採用に向けて取り組まれています (7 項)。下記の表の値は、HTAi によって実施された合意形成のアウトプットの 1 つです。患者団体、学会、HTA 機関および産業界がその実施に貢献し、39 ヶ国から 150 件もの意見を受領しました。[14]

価値とは以下のとおりです。

関連性 患者のもつ知識、見解、経験はユニークで、HTA に不可欠なエビデンスに貢献します。
公平性 患者には利害関係者と対等に HTA プロセスに貢献する権利があり、効果的に関与できる知識や経験を持っています。
公平性 HTA への患者の関与は、特定の健康問題をもつ患者の多様なニーズを全ユーザーの間で公平にリソース配分することを求める医療制度の要求事項を補いつつ理解するよう努めることで、公平性に寄与します。
合法性 患者の関与は、HTA による勧告/決定による影響を受ける人々の HTA への参加を促進し、意思決定過程の透明性、説明責任および信頼性に寄与します。
能力構築 患者の関与のプロセスは、HTA への関与の障壁に対処し、患者と HTA 機関の能力を構築し、協力します。

推奨される業務慣例

このセクションで HTA 機関および患者団体に推奨される作業方法は、複数の情報源にもとづいています。主な情報源は、HTAi の合意形成の実施、個々の HTA 機関の審査、およびヨーロッパでの HTA への患者の関与に関する EPF 調査の品質基準全体に基づいています。[13][15][16][17][18][19][20] HTA 機関によって採用または計画される具体的な患者の関与活動は、8 項「患者の関与活動に関する提案」に記載されています。

患者の関与を始めて行う HTA 機関には、新しい作業方法と活動を導入する段階的アプローチが最も有効かもしれません。具体的な作業方法と活動の優先順位は、患者およびその他の利害関係者とともに HTA 機関によって決定されるべきです。

6 項で特定される目的を達成するために、HTA 機関は以下を検討すべきです。

  • 患者の関与を効果的なものにするために、HTA の中で作業を行う人々、および HTA 委員会に参加する人々のプロセスと責任を要約する戦略を持つべきである。
  • HTA における効果的な患者の関与を確保およびサポートするために適切な情報源を指定すべきである。
  • HTA への参加者 (研究者、スタッフ、HTA のレビューアーおよび委員会の委員) は、HTA のプロセス全体での適切な患者の関与および患者の視点の検討についてのトレーニングを受けるべきである。
  • 患者は、助言とトレーニングを受ける機会を与えられるべきであり、そうすることによって HTA へ最も効果的に貢献できる。
  • HTA における患者の関与プロセスは、関係者全員の経験を考慮に入れ、プロセスの継続的な改善を目的として、定期的に見直しと審査がおこなわれるべきである。
  • 患者の意見を取り入れるプロセスの目的に関して、内部および外部の利害関係者の調整作業を行うべきである。[18]
  • 決定に至るために使用する基準とプロセスの公開を含め、幅広い患者に効果的に影響力を及ぼし、情報を伝達し、各 HTA に積極的に参加できるようにするための前向きのコミュニケーション戦略を策定すべきである。
  • 幅広い患者からの適切な意見が確実に得られるようにするために、締切りを事前に通知して、各 HTA の明確なスケジュールを策定すべきである。
  • 各 HTA は、効果的に HTA に貢献するよう患者をサポートする役割を担うスタッフを特定すべきである。
  • 各 HTA において、患者の視点と経験が文書化されるべきである。また、結論および決定への患者の貢献の影響が報告されるべきである。
  • どのような貢献が最も役立ったかの情報を共有し、今後の患者の関与を支援するための提案を行うため、HTA への貢献をした患者へフィードバックを提供すべきである。
  • 各 HTA は、関与する患者のための文書およびその他の資料に理解しやすい言葉を使うべきである。[16]
  • 個別の HTA への提出以外への参加の機会も患者に提供すべきである。[18]
  • 患者の意見を HTA へと体系的に組み入れる枠組みを開発すべきである。[18]
  • 書面での提出を利用しやすくするシステムを構築すべきである。また、提出を行う個人に適切なサポートを提供すべきである。[16]

6 項で特定される目的を達成するために、患者団体は以下を検討すべきです。

  • 患者団体を代表して話をする人物を、HTA の内容に即し、医療リソース割り当ておよび科学的効果と費用対効果の側面の両方において確実に訓練する。
  • 患者の関与がまったくない、またはほとんどない場合、HTA 機関に積極的にアプローチし、患者の関与がどうすれば達成されるかを明確な提案を通して説明する。
  • HTA のプロセスを理解する。HTA のスタッフに面会し、ガイドラインと締め切りを守り、入手できる場合は用語集を使用する。
  • 他の患者団体の経験から学び、彼らと協力する。
  • 透明性を維持する。財政支援について宣言 (公表) と多様化を進め、産業界との協力のための明確で明示的な枠組みを構築する。

患者の関与活動の提案

本項に要約した活動の提案は、患者の関与を実現するための具体的なメカニズムの例です。これらは、すべて 1 つ以上の HTA 機関によって実践 (または予定) されています。これらは、HTAi、EPF、INAHTA、個々の HTA 機関の刊行物および学界の審査にもとづいています。[5[6][7][16][17][18][21]

次の文章で使用している用語「患者」は、4 項で定義される別の分類を指しています。

一般 HTA プロセス

機関を対象にした活動の一覧は、一般的な HTA プロセスにおいて推奨される作業方法を実施するのに役立ちます。この一覧は網羅的なものではなく、最初のアイデアを提供することを目的としています。

働きかけおよび教育

  • HTA プロセス内で患者が引き受ける可能性のある、さまざまな役割に関するガイダンス資料を作成する。
  • 患者の関与問題に関する単一の窓口を提供する。
  • HTA および患者の関与について、患者団体代表のための発表やトレーニング ワークショップを行う。
  • 患者が変化を起こせることを示すため、患者がもたらした影響について評価し、伝達する。
  • できるだけ公開して HTA の会議を開催する。
  • HTA 特有の用語について関連言語での用語集を提供する。
  • 通常の掲示板を通じた注意喚起を含め、次回の HTA を宣伝し、患者団体が参加するよう積極的に呼びかける
  • 個々の HTA 機関に関与する患者のために、ピア サポート グループの設置をサポートする。

より幅広い関与

  • HTA プロセスへの潜在的に重要な変更を協議する際は、患者を関与させる。
  • HTA プロセスの策定中に、市民法廷 [22] またはコンセンサス会議などの参加アプローチの利用を検討する。
  • 患者エキスパートを特定の HTA の単なる貢献者としてでなく、非専門家のメンバーとして、または HTA 委員会の非専門家委員として含める。これらのメンバーに完全な投票権を付与します。

 個々の HTA

この活動の一覧は HTA 組織を対象にしており、個々の HTA に推奨される作業方法を実施するのに役立ちます。この一覧は網羅的なものではなく、最初のアイデアを提供することを目的としています。

評価するテクノロジーの特定と優先順位づけ

  • HTA の対象とするテクノロジーを患者がノミネートするシステムを構築する。

適用範囲 (個々の HTA のための枠組みの策定)

  • 書面での提出用のテンプレートを使用し、適用範囲案に関して患者団体と協議する。
  • HTA の適用範囲に関する議論に参加するよう、患者団体を口頭での協議のための会議に招く。

推奨事項およびガイドラインの評価と策定

  • HTA 委員会の会合に出席する患者と臨床エキスパートをノミネートするため、患者団体を招く。
  • 委員会によって検討されるエビデンス ベースの一部を形成するために、個々の患者とケア提供者および患者団体から書面での提出を求める。
  • 書面での提出を完了し、会合で患者エキスパートとして活動する準備をする人々に、テンプレート、ガイダンス文書および電話でのサポートを提供する。
  • 委員会の会合で個人としての患者とケア提供者から口頭による提出、つまり、個人の証言を求める。
  • 個々の HTA に先立って送付される、読みやすい文書の要約を提供する。
  • HTA のエビデンスの一部を形成する、あらゆる独自の公開資料を患者が自由に利用できるようにする。
  • 各 HTA 後に公表するため、会合に出席する患者に対する会合終了時の質問票を作成し、その結果を患者の関与の全体レビューに組み入れる。

HTA アウトカムのレビューと周知

  • HTA アウトカム文書の患者の意見および最終推奨事項を作成する中でどのように利用されたかを要約する。患者からの提案が最終推奨事項に含まれなかった場合、書面で適切に正当な理由を伝える。
  • HTA アウトカム文書の 非専門家向けバージョンを準備する。
  • HTA に参加している患者、および参加できなかった人々 (健康上の理由など) からの HTA アウトカム案への書面でのコメントを求める。
  • 患者のための明確なシステムを構築および周知して HTA の決定をアピールする。
  • 患者の関与プロセスのレビューに患者を関与させる。

報酬

患者は個人としてだけでなく団体の一員としても、自らの意思で活動に関与する状況が多いということを認識しておく必要があります。したがって、次のことに配慮が必要です。

  • かかったすべての時間に経費を足して報酬として支給する。
    • 提供されるいかなる報酬も、公正で関与の種類に見合ったものであるべきである。理想としては、費用は払い戻しよりも団体のパートナーに直接支払われるとよい。
  • 活動に関与する患者の特定や支援 (ピアサポートグループ、トレーニングおよび準備) の際に患者団体が負担するコストの埋め合わせも検討する。
  • 交通や宿泊など、参加の計画調整を援助する。

報酬には現物支給の間接的なベネフィット (患者団体の無料で提供するサービス) や、患者や患者団体に提供される現物支給の非財政的ベネフィット (講習会、代理サービス、ウェブサイトの設定) も含まれます。

すべての団体は報酬の取り決めについて透明性を保つ必要があります。

書面による合意

書面による合意で少なくとも明確に規定しておくのは、活動とその目的の説明、活動中のやり取りの性質、合意事項 (該当する場合) 、リリース、機密保持、報酬、データのプライバシー、コンプライアンス、利益相反の申告、スケジュールです。相互作用は、共同作業の基本的要素 (例えば関与の規則、コンプライアンス、知的財産、財政支出) が最低限記載されている合意書に基づいて進展します。

合意書が明確であり、適切な知的共有を限定しないように配慮が必要です。

付録 1 リソース

 

HTA 機関および患者のための国際および国別リソース

国際
執筆者 リソース 日付 備考
推奨事項
HTAi Values and Quality Standards for Patient Involvement in HTA

 

https://htai.org/interest-groups/pcig/values-and-standards/

2014 18 ヶ月間にわたる国際的な合意形成プロジェクトのアウトカムです。
EPF Patient involvement in HTA in Europe.Results of the EPF survey.

 

http://www.eu-patient.eu/globalassets/projects/hta/hta-epf-final-report2013.pdf

2013 HTA 機関および患者団体への推奨事項を含みます。
グッド プラクティス事例
HTAi Good Practice Examples of Patient and Public Involvement in Health Technology Assessment

 

http://www.htai.org/fileadmin/HTAi_Files/ISG/PatientInvolvement/EffectiveInvolvement/Good_Practice_Examples_Feb_2015.pdf

2014  複数の EU 加盟国および地域を含む、HTA 機関によって採用されたアプローチの要約です。他の国のためのヒントとアイデアを含みます。
患者テンプレート
HTAi Patient group submission template for HTA of medicines

 

次のリンクをご利用ください。

https://htai.org/interest-groups/pcig/resources/for-patients-and-patient-groups/

 

 

 

 

2014 患者グループ向けの簡潔なガイダンスを含みます。

 

国際
執筆者 リソース 日付 備考
患者テンプレートの続き
Patient group submission template for HTA of health interventions (not medicines)

次のリンクをご利用ください。

http://www.htai.org/interest-groups/patient-and-citizen-involvement/resources/for-patients-and-patient-groups.html

 

2015 患者グループ向けの簡潔なガイダンスを含みます。
Completing a patient group submission template:guidance for patient organisations.

 

http://www.htai.org/fileadmin/HTAi_Files/ISG/PatientInvolvement/v2_files/Resource/PCISG-Resource-GuidanceandChecklist-Dec14.pdf

2015 HTA 機関が患者のニーズおよび患者の所属するコミュニティに対応するためのものです。
患者を対象とした教育
EUPATI EUPATI Patient Expert Training Course

 

 

Toolbox for education in medicines development.

https://eupati.eu/

2015 トレーニング コースでは、毎年 9 月と 10 月に新規受講を受け付けています。

 

トレーニング コースおよびオンライン ツールボックスには、患者および患者代表向け HTA 教材が含まれています。

EURORDIS Webcasts and slide presentations from annual summer school:

http://www.eurordis.org/training-resources

HTA に関するセッションを含みます。
HTAi Introducing HTA to patients and patient organisations.

 

www.htai.org/webinars/pcisg-intro-hta/

2013 動画とスライドです。

 

 

HEE Understanding health technology assessment.

http://www.htai.org/fileadmin/HTAi_Files/ISG/PatientInvolvement/EffectiveInvolvement/HEEGuideToHTAforPatientsEnglish.pdf

2008 小冊子は英語、スペイン語、標準中国語、イタリア語、ポーランド語、スウェーデン語、ギリシャ語で利用できます。
国際
執筆者 リソース 日付 備考
その他の利害関係者を対象とした教育 (患者を除く)
EUnetHTA Training for stakeholders.

 

http://www.eunethta.eu/events

このリンクは、利用可能になり次第、情報が含まれます。
ISPOR HTA training programme:

 

https://www.ispor.org/conferences-education/education-training

ISPOR Regional Chapters’ activities:

 

http://www.ispor.org/RegionalChapters

ほとんどの ISPOR 地域支部は国内レベルです。ISPOR 地域支部は、幅広いトレーニングおよび教育の機会を提供しています。
HTA 機関の連絡先情報
HTAi List of HTA bodies worldwide:

 

http://vortal.htai.org/?q=about/producers_and_networks

 

INAHTA Contact information for HTA bodies worldwide:

 

http://www.inahta.org/members/members_list/

用語集
INAHTA/

HTAi

Glossary of HTA terms:

 

http://www.HTAglossary.net

オンライン用語集は、英語、フランス語、スペイン語およびドイツ語で利用できます。

定期的に更新されています。

http://htaglossary.net/HomePage

HTAi HTAi consumer and patient glossary:

 

http://www.htai.org/fileadmin/HTAi_Files/ISG/PatientInvolvement/v2_files/Resource/PCISG-Resource-ENGLISH-PatientandConsumerGlossary-Oct09.pdf

 

http://www.htai.org/fileadmin/HTAi_Files/ISG/PatientInvolvement/v2_files/Resource/PCISG-Resource-GREEK-PatientandConsumerGlossary-Oct09.pdf

2009 用語集 (PDF)英語およびギリシャ語で利用できます。
国際
執筆者 リソース 日付 備考
調査
EPF Patient involvement in HTA in Europe.An interim report on EPF's survey with HTA agencies in Europe.

http://www.eu-patient.eu/News/News-Archive/Patient-involvement-in-health-technology-assessment-in-Europe---An-interim-report-on-EPF-survey-with-HTA-Agencies/

 

2011
EPF Patient involvement in HTA in Europe.An interim report on EPF's survey with decision makers in Europe.

http://www.eu-patient.eu/globalassets/projects/hta/report-hta-survey_decision-makers_final.pdf

 

2011
EPF Patient involvement in HTA in Europe.An interim report on EPF's survey with patient organisations across Europe.

http://www.eu-patient.eu/globalassets/projects/hta/epf-report_hta-survey_po.pdf

 

2011
INAHTA Involvement of consumers in the HTA activities of INAHTA members.

http://www.inahta.org/wp-content/uploads/2014/04/INAHTA_Survey_Consumer-Involvement_2011.pdf

 

2011 2005 年および 2010 年における HTA 機関の反復調査の比較です。
産業界報告書
Deloitte / Eli Lilly Enhancing Consumer Involvement in Medicines Health Technology Assessment.

 

2009
オンラインで利用可能な、地域用テンプレートとガイド (ヨーロッパ)
本文 URL または文書名 備考
関与

(英国)

Payment and recognition for public involvement.

 

http://www.invo.org.uk/resource-centre/payment-and-recognition-for-public-involvement/

一般的な研究における患者の関与について書かれたものですが、一般的な支払いと承認に関する有用なポイントが含まれています。
IQTIG

(ドイツ)

http://www.iqtig.de HTA における患者の参加に関する法的テキストおよびガイドラインです。
NICE

(イングランド)

http://www.nice.org.uk/about/nice-communities/public-involvement/develop-NICE-guidance 患者とケア提供者および患者団体用のテンプレート、ファクトシートおよびガイドの包括的なセットです。
NICE

(イングランド)

Confidentiality agreement for stakeholders taking part in HTAs.

 

https://www.nice.org.uk/get-involved/stakeholder-registration/confidentiality-agreement

SMC (スコットランド) http://www.scottishmedicines.org.uk/Public_Involvement/ 包括的なガイダンス、教育用ビデオ、患者団体提携登録フォーム (Patient Group Partner Registration Form) および患者団体提出フォームです。
個々の HTA 機関の評価
本文 URL または文書名 備考
CADTH

(カナダ)

CADTH Patient Input Process Review.Findings and Recommendations

 

https://www.cadth.ca/sites/default/files/pdf/2012_SECOR_Patient-Input-Review_e.pdf

 

2012 年に発行されたレビューです。
NICE

(イングランド)

Technology Appraisal Patient Expert Survey 2012 Report

 

http://www.nice.org.uk/media/default/About/NICE-Communities/Public-involvement/Public-involvement-programme/Patient-expert-TA-report-final-1.pdf

NICE HTA への患者の関与に関する調査です。
個々の HTA 機関の評価
SMC

(スコットランド)

2014 Review of SMC Public Involvement

 

https://www.scottishmedicines.org.uk/Public_Involvement/Our_commitment_to_continuous_improvement

 

The Scottish Medicines Consortium and public attitudes to the provision of medicines for the NHS in Scotland.2015

 

http://www.scottishhealthcouncil.org/publications/gathering_public_views/idoc.ashx?docid=0b031cb1-17b4-482b-9f51-fd118e3cf541&version=-1

患者の関与の事例研究
本文 文書名 備考
NICE (イングランド) / SMC (スコットランド) Patient involvement in NICE technology appraisals. 著者: Amis L. In 『Patients, the public, and priorities in healthcare』編集: Peter Littlejohns および Michael RawlinsOxford:Radcliffe.2009.

付録 2 略語

AOTM             Agency for Health Technology Assessment (医療技術評価機関 (ポーランド))

AQuAS            Agency for Health Quality and Assessment of Catalonia (カタロニア健康品質および評価機関)

CEDIT             Hospital based Health Technology Assessment Agency (病院ベース医療技術評価機関 (フランス、パリ))

EPF                 European Patients Forum (欧州患者フォーラム)

EUnetHTA      European network for Health Technology Assessment (欧州医療技術評価ネットワーク)

EUPATI           European Patients’ Academy on Therapeutic Innovation (革新的治療のための欧州患者アカデミー)

FOPH              Federal Office of Public Health (連邦内務省保健局 (スイス))
GBA                Federal Joint Committee (連邦合同委員会 (ドイツ))

HTA                 Health Technology Assessment (医療技術評価)

HTAi                Health Technology Assessment international (医療技術評価インターナショナル)

IQTIG              Institute for Quality Assurance and Transparency in Healthcare (医療における品質保証および透明性研究所 (ドイツ))

ISPOR             International Society for Pharmacoeconomics and Outcomes Research (国際医薬経済・アウトカム研究学会)

IQWiG             German Institute of Quality and Efficiency in Healthcare (ドイツ医療品質・効率性研究機構)

ISPOR             International Society for Pharmacoeconomics and Outcomes Research (国際医薬経済・アウトカム研究学会)

NICE               National Institute for Health and Care Excellence (国立医療技術評価機構 (イングランド))

Osteba            Basque Office for Health Technology Assessment (医療技術評価のバスクのオフィス)

SBU                 Swedish Council for Technology Assessment (スウェーデン技術評価協議会)

SMC                Scottish Medicines Consortium (スコットランド医薬品コンソーシアム)

参照文献

  1. EMA の枠組みより抜粋。European Medicines Agency (2014) EMA/637573/2014. http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/Other/2009/12/WC500018013.pdf.Last Accessed 21.11.2016.
  2. HTAi (2015) "Completing a patient group submission template:guidance for patient organisations”. http://www.htai.org/interest-groups/patient-and-citizen-involvement/resources/for-patients-and-patient-groups.html.Last Accessed 21.11.2016.
  3. HTAi (2010) 「Patients’ perspectives in health technology assessment:A route to robust evidence and fair deliberation」 International Journal of Technology Assessment in Health Care
  4. Gauvin F-P et al. (2010) 「It all depends:Conceptualizing public involvement in the context of health technology assessment agencies」Social Science and Medicine.
  5. HTAi (2010) "Patients’ perspectives in health technology assessment:A route to robust evidence and fair deliberation」 International Journal of Technology Assessment in Health Care
  6. EPF (2013) 「Patient Involvement in Health Technology Assessment in EuropeResults of the EPF Survey.” http://www.eu-patient.eu/globalassets/projects/hta/hta-epf-final-report2013.pdf.Last Accessed 21.11.2016.
  7.  INAHTA (2011) 「Involvement of consumers in the HTA activities of INAHTA membersReport on a survey.”. http://www.inahta.org/wp-content/uploads/2014/04/INAHTA_Survey_Consumer-Involvement_2011.pdf.Last Accessed 21.11.2016.
  8. HTAi (2014) “Good practice examples of Patient and Public Involvement in Health Technology Assessment.” http://www.htai.org/interest-groups/patient-and-citizen-involvement/resources/for-hta-agencies-and-policy-makers.html.Last Accessed 21.11.2016.
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  19. Australian Government Department of Health and Ageing (2009) “Review of health technology assessment in Australia.” http://www.health.gov.au/internet/main/publishing.nsf/Content/AF68234CE9EB8A78CA257BF00018CBEB/$File/hta-review-report.pdf.Last Accessed 21.11.2016.
  20. Messina J, Grainger DL(2012) “A pilot study to identify areas for further improvements in patient and public involvement in health technology assessments for medicines.“ The Patient.
  21. Citizen’s Jury method is explained at The University of Manchester.(2012) http://www.methods.manchester.ac.uk/medialibrary/docs/citizensjuries.pdf, Last Accessed 21.11.2016.

*消費者は医療の議論において利害関係者と認識されています。EUPATI の適用範囲では消費者よりむしろ患者に焦点を当て、教材やガイダンス文書にそれが反映されています。

 添付資料

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