試験中の決定:盲検解除および終了

はじめに

「試験中の決定」とは、治験がすでに開始された後に、例えば予期しない問題が発覚した場合などに行う必要がある決定のことです。これらの決定により、問題を軽減するための手続きが開始されたり、試験が早期に終了したりする結果となる場合があります。

本稿では、試験中の決定について 2 つの特定の種類に注目します:それは盲検解除 (開鍵) および早期終了です。

盲検解除 (開鍵)

盲検解除とは

多くの治験は盲検化されています – 試験は、治験責任医師および/または参加者が、個々の参加者がどの治療を受けているのかを知らされずに実施されます。

盲検解除とは、その「目隠し」が外されて、治験責任医師および/または参加者に、個々の参加者がどの治療を受けているのかを知らされたときのことをいいます。

患者が盲検解除される理由

参加者が試験に参加している間に医療的緊急事態または深刻な医療的病状が発生した場合、参加者がどの治療を受けたかを医師が把握しないと、適切な治療を受けられない場合があります。このような状況では、盲検解除が必要になる場合があります。

盲検解除はどのように行われますか?

製薬会社および医薬品開発業務受託機関では厳格な盲検解除手順が用意されており、治験依頼者は規制要件の一部として治験を行う際に盲検解除手順の文書を提供する必要があります。これらは通常、標準業務手順書 (SOP) とそれに添付されるガイダンス文書という形を取ります。盲検化プロセスは組織ごとに異なります。組織によっては、コールセンターや自動化されたシステムを使用して、治験依頼者に代わってプロセスを管理する場合もあります。迅速な治療中断や薬物間相互作用によって患者に重篤な副作用が発生するのを防止するために、盲検解除要求が行われる前に、それについて検討できるオンコール医師に対して手続の規定があることも多いです。

盲検化プロセスの患者への影響

試験参加者は「患者カード」を受け取りますが、これには治験についての情報、主任治験責任医師および施設の連絡先の詳細、緊急時に盲検解除を要求する際の番号が記載されています。参加者はそのカードを、当該治験に関与していない人を見ることができると思われる医療従事者の誰かに見せるように指示されています。

試験デザインに盲検解除段階がないと、バイアスが入り込む可能性があるため、盲検解除された参加者は試験の中止を要求されます。試験において盲検解除された参加者が多すぎると、その試験の統計的完全性を危うくする場合があります。

早期終了

早期終了とは何ですか?

早期終了とは、治験が事前に指定されていたエンドポイントに達する前に予定より早く終了することです。

中間解析と試験の早期終了の役割とは何ですか?

中間解析では、進行中の試験から現在のデータを調べます。中間解析は通常、治療群間の安全性プロフィールを特定するため、または治療間の有効性に不均衡があるかどうかを評価するために行われます。

治験実施計画書には、中間解析へのアプローチ方法とデータを評価する際に使用される意思決定プロセスについての詳細な指示が記載されている必要があります。中間解析は、試験中にデータを簡単に確認できるように計画することは できません 。分析が発生する時点とその理由を含め、事前に明確に定義する必要があります。

まれに、進行中の実施計画書に中間解析を追加できることもありますが、その場合でも理由を明確に定義しなければならず、規制当局の承認と倫理的評価が必要となります。

なぜ試験は早期に終了する場合があるのですか?

研究者は、十分な人数の参加者を募集するのが困難であるなど、さまざまな理由により試験の早期終了を検討する場合があります。ほとんどの場合、試験を早期に終了する決定は、事前に計画されていた中間解析の実施中に新しい科学的証拠が見つかった後に行われます。この新しい試験データは、参加者にとって以下のようなベネフィット/リスク比の再評価につながる場合があります。

  • 治療を続行するには参加者へのリスクが大きすぎると考えられる重篤な有害反応 (ADR)。
  • 治療のうちの 1 つの優越性または効果の欠如の明確な特定。

治験の早期終了はどのようなプロセスで行われますか?

中間解析に従って試験を中止することが可能である試験では、明確に定義された終了規則を実施計画書およびインフォームド コンセント フォームに含める必要があります。これには、ヘルシンキ宣言に記載されているように、有益で必要な場合には、試験終了後に継続的な治療へアクセスするための規定が含まれていなければなりません。

バイアスを減らすために、中間解析から返されたデータが終了基準を満たすかどうかについて、独立した委員会が意志決定を行う必要があります。ほとんどの場合、治験を終了するには上級の医学的管理者の承認が必要です。

参加者の募集が困難であることが証明され、科学的な問題に対する解答が得られる可能性が低い場合、試験の継続は非倫理的と見なされます。このような状況では、試験を承認した規制当局が終了に同意する必要があります。

添付文書

A2-4.24.1-V1.0