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生物学的医薬品

生物学的医薬品は欧州の法規では、生物学的原料で作られるか、または生物学的原料に由来する 1 つ以上の有効成分を含む医薬品として定義されています。1 最も広い意味に解釈すれば、生物学的医薬品には、実験室において生体から作られた物質が含まれています。この広い定義には、ワクチン、免疫療法、バイオシミラー、遺伝子治療、幹細胞療法や組織療法などが含まれます。本稿では、「生物学的医薬品」をインスリンなどのタンパク質ベースの医薬品に言及するために使用しています。

生物学的供給源または天然供給源には微生物、動物の細胞、またはヒトの細胞が含まれています。一部の生物学的医薬品では、ヒトの体内で自然に生成されるタンパク質が模倣されています。たとえば、インシュリン、成長ホルモン、血液細胞の生成を制御する成長因子です。

生物学的医薬品にはヒトの体内で自然に生じるタンパク質のコピーではなく、バイオアベイラビリティ、特異性、有効性を向上させるために実験室で改良されたものもあります。こうした医薬品で最もよく知られている例として抗体がありますが、抗体は体内の細胞表面に結びつき、癌治療で広範囲に使用されています。

生体タンパク質は従来の化学薬品よりはるかに大きく複雑な分子構造を持ちます。言い換えると、生体タンパク質は錠剤として製造できないということになります。そのため、注射による投与が必要になります。

生物学的製剤は非常に特異的な効果を持ち、患者の体内、主に細胞の外側で特定の標的と相互作用するように設計されています。より的を絞った作用機序によって、医薬品が疾患に対して望んだ治療効果を持つ可能性が大きくなり、従来の医薬品よりも副作用も少なくなるはずです。しかしながら、生物学的製剤のよく見られる副作用は、免疫反応 (免疫原性) のリスクです。この免疫反応では、患者の免疫系が生物学的製剤を「異物のタンパク質」として認識し、破壊しようとします。このような免疫反応によって、生物学的製剤の働きが十分に発揮できなくなることもあり、注射部位に炎症が起こるだけの場合もあります。

追加資料

  • U.S. Food and Drug Administration (2014, April 10).What is a biological product?Retrieved June 17, 2015, from:
    http://www.fda.gov/AboutFDA/Transparency/Basics/ucm194516.htm

参照文献

  1. European Medicines Agency (2013, May 22).Biosimilar medicines.Retrieved June 17, 2015.
    http://www.ema.europa.eu/ema/index.jsp?curl=pages/special_topics/document_listing/document_listing_000318.jsp

A2-1.06.4V1.2