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治験における統計:標本集団

はじめに

統計的手法は、患者の治療に対する反応における変動要因を形式に基づいて説明するものとなります。統計の使用によって、臨床研究者は収集された情報から合理的で正確な推論を行い、不確実性があっても正しい判断を下すことができます。統計は臨床研究においてエラーやバイアスを防止するカギとなります。本稿では、治験で使用する標本集団の選択について説明します。

標本集団

治験の目的は、特定の患者集団における治療の効果に関する情報を得ることです。研究者は明らかに集団全体に治療を実施することはできず、それは倫理的にも財政的にも困難なため、治験では患者集団からサンプルを選択することになります。

サンプルサイズの計算では、治験に組み入れる適切な患者数を決定します。繰り返しますが、明らかに、試験に参加する患者数が多いほど、結果の信頼性も高くなります。しかし、試験の規模が大きくなるほど大きな資源 (資金と患者の関与に関して) が必要になり、潜在的に効率が悪かったり、危険な治療にさらされる患者数が増えることになります。

では試験が実施されていると仮定すると、サンプル内で確認された効果からは、集団での治療効果についてどのような見解を得ることができるのでしょうか。ここで生じるのが「統計的推測」であり、より具体的には仮説検定の概念から導き出します。

サンプルサイズの計算を左右する要因とは?

  • 治験のデザイン – 試験の要件は相ごとに異なるため、サンプルサイズもそれに従って調整します。
  • 主要エンドポイントの選択 – 主要エンドポイントとは試験の最後に判明する主要な結果であり、これによって治療が奏功したことを確認します。
  • 研究仮説 – 「対立仮説」における目的とされた治療効果の大きさ、つまり効果の強さ (適切な表現ではないかもしれません) は非常に重要です。サンプルサイズは、予期される効果が大きくなるほど低下します。その意味で、追加費用や副作用などが発生するにもかかわらず採用すべきであると医学界から確信してもらうためには、新しい治療効果は医学的に価値があり、十分な大きさがなければなりません。
  • I 型および II 型エラー率 – 一般的に考えられているように、I 型エラー率は常に II 型エラー率よりも低くなければなりません。これは特に第 III 相治験に当てはまります。しかし第 II 相試験では、医薬品の開発プロセスにおいて、優れた効果を持つ薬剤を喪失するリスクのほうが大きな問題とみなされます。
  • 資源 – 登録患者数と財政的な制約により、治験のサンプルサイズが制限される場合があります。

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