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小児用医薬品:特別な考慮事項

はじめに

小児用医薬品の開発では、医薬品開発プロセスで不当な危害から小児を保護するため、特別な措置と考慮事項を検討する必要があります。次の記事では、これらの特別な考慮事項について説明します。特に、小児用の医薬品製剤と小児用臨床試験デザインの最適化に焦点を置きます。小児用研究の倫理的な影響についても、次に考察します。

考慮すべき問題

臨床試験依頼者は、開発の早期に、小児集団で医薬品を開発する適切性評価のため、多くの問題について検討する必要があります。

  • 製品により治療の重要な進展が可能になる、重度または致死的な疾患はありますか。
  • 小児での開発は意味がありますか?すなわち、計画している適応症 (候補医薬品で治療を目指す症状) は小児に当てはまりますか?
  • 異なる年齢範囲の患者に使用する可能性はどのくらいでしょうか (ICH で定義した小児のサブセット)。小児で疾病が発現する頻度と疾患発現形態はどうでしょうか。
  • 症状の重症度はどのくらいですか。
  • 小児で満たされていない医療上の必要性はありますか。意味のある治療上のメリットは何ですか。(代替的な治療の有無と適切性を検討)。
  • 医薬品において特別な小児の適応はありますか。
  • 新規 (新しい) 医薬品ですか、または既知の成分ですか (成人の治療でこれまでに使用した活性物質)。
  • 活性物質には、潜在的な他の治療領域がありますか。
  • 特別な安全性の懸念事項はありますか。医薬品に関する既知の安全性プロフィールは何ですか (非臨床所見を含む)。
  • 年齢固有の小児用製剤開発の潜在的な必要性はありますか。これを開発できますか (適切な成分の使用可能性を検討)。
  • 小児集団で臨床試験を実施できますか。

小児用医薬品の製剤

臨床試験は、必須要件のごく一部です。問題を解決するには、年齢固有の製剤も不可欠です。

  • シロップを使用できない場合、錠剤の嚥下が困難を伴うかもしれません。
  • 小児向けの用量を得るために成人用の製剤を使う場合の深刻な計算間違い。または
  • 小児に不適切な賦形剤 (非活性成分) の使用や量。

さらに以下のような代替的な薬物送達システムを検討する必要もあります。

  • 香味と色
  • 液体、懸濁液、噛み砕ける錠剤
  • 味のマスキングを要する可能性
  • 各年齢グループで異なる可能性
  • 一つのサイズで全体をカバーできないこと

European Paediatric Formulation Initiative (EuPFI)

European Paediatric Formulation Initiative (EuPFI)1 は、小児用医薬品改良を目指し、小児用医薬品研究に関心を持つステークホルダーである製薬業界、病院、学術機関を代表するグループにより 2007 年に創設されました。

EuPFI の主な目的は、小児用製剤開発に関する科学上、規制上、技術上の問題を、次の方法で解決することでした。

  • 小児用製剤の開発に関する課題を特定すること
  • 小児用医薬品と剤形について認識を高め改善すること
  • 小児用製剤の開発に関する知識の潜在的なギャップを特定すること
  • 小児用医薬品の開発を早期の考慮事項として促進すること
  • 小児用製剤に関して情報入手を改善すること

小児用臨床試験のデザインを最適化すること

米国食品医薬品局 (FDA) の薬学臨床薬理学諮問委員会は、2012 年 3 月に、小児用臨床試験デザインと用量を改善する方法について考察するための会合を持ちました。この委員会では、ある医薬品の特定の用量を投与する際小児用臨床試験で生じる事象を予測するモデリングとシミュレーションの使用を推奨しました。

この会合で、委員会の大部分 (医師 13 名中 12 名) が、青年期 (>12 歳) 集団向けの用量は、特別な薬物動態 (PK) 研究の必要性がなく、成人データを使って求めることができることについて同意しました。ただし、一部の委員は、このアプローチについて薬剤ごとに検討することを推奨しました。詳細情報を FDA ウェブサイトで閲覧できます。2

小児用試験の倫理上の問題

小児は、社会的弱者のサブグループであり、不当なリスクから小児を保護する特別な措置を取る必要があります。小児集団に詳しい倫理委員会の作業では、以下のことを確保することが重要です。

  • 被験者募集では不適切なインセンティブを行わないこと。
  • 両親や法的後見人がインフォームド コンセントのフォームに署名し、同意すること。年長の小児も、インフォームド コンセントのフォームに署名するか、同意する必要が生じる場合があります。
  • 参加者には、理解できる言葉を使用して十分に情報を伝えること。
  • リスクを最小化する試験。
  • 苦痛を最小化する試験。試験スタッフは小児に対応する方法を把握している必要があります。
  • 試験プロトコルを対象集団向けにデザインすること。

資料

  • Rose, K., & Van den Anker, J. (Eds.).(2007).Guide to paediatric clinical research.Basel:Karger.
  • Rose, K., & Van den Anker, J. (Eds.).(2010).Guide to paediatric drug development and clinical research.Basel:Karger.

参照文献

  1. EuPFI の詳細については、公式ウェブサイトを参照してください。http://www.eupfi.org/ (Retrieved 24 August, 2015).
  2. Food and Drug Administration (2012).Summary minutes of the advisory committee for pharmaceutical science and clinical pharmacology March 14, 2012.Retrieved 11 July, 2021 from https://web.archive.org/web/20161023224355/http://www.fda.gov/downloads/AdvisoryCommittees/CommitteesMeetingMaterials/Drugs/AdvisoryCommitteeforPharmaceuticalScienceandClinicalPharmacology/UCM306989.pdf

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