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参加者の権利、責任、義務

はじめに

本稿では、臨床研究の枠組みにおける研究参加者の権利と潜在的な責任や、臨床試験前および最中の患者組織の役割について説明します。

参加者の権利

臨床試験参加者は権利を有しており、臨床試験に参加する際は法律の下で保護されています。インフォームド コンセントのプロセスは研究参加者を保護する主要な要素の 1 つです。臨床試験に対する自発的な参加決定が個人によってなされ、合理性を超えたリスクに納得して同意しかねないような過度の影響がないことが必要不可欠です。参加者は臨床試験で起きるすべてのことを知る権利を持ちます。この権利には、疑問があれば何でも尋ね、臨床試験の参加についてあらゆる懸念を表明できる然るべき機会が付随しています。参加予定者は研究への参加を拒む権利もあります。臨床試験中、参加者のプライバシーやそのデータの守秘義務は維持されます。臨床試験中に、新しいベネフィット、リスク、または副作用が発見された場合、研究者は臨床試験参加者に知らせなければなりません。臨床試験依頼者にとっては臨床試験参加者に対する適切なフォローアップに関しては試験後の義務もあります。

参加者の責任

  • 処方された用量とスケジュールに従った試験投薬の摂取の遵守。研究参加者が服薬について遵守不良である場合、試験に有害な影響が出ることがあります。
  • 試験中の観察所見および不都合な事象 (副作用の可能性) の報告
  • 参加者は、臨床試験中、健康を維持し、不必要なリスクを避けることが期待されています。
  • 参加者の行動に大きな変化がある場合は、臨床試験の結果に影響を及ぼす可能性 (バイアス) があるため、臨床試験チームと議論しなければなりません。

患者団体の役割

患者団体は、患者との近い関係により、臨床試験についての意識向上に大きな役割を果たすことができます。

普及、促進、理解

患者団体は臨床試験に関する情報の普及に貢献し、患者が試験の目的とデザインを理解するのを助けることができます。研究活動に関与する患者団体は管轄区域によっては、コミュニティーに適した臨床試験の選択や研究の宣伝を、法律が許可する場合は、自らのウェブサイトやソーシャルネットワークで宣伝することができます。患者団体は、ベネフィットとリスクについて患者がどう認識しているのか理解し、リソースを動員して臨床試験の目的を理解することを焦点化したり、時間を取って患者と共に研究への参加を受け入れる理由または拒絶する理由を評価することもできます。患者団体はまた開発や資金提供が望まれる研究の主要なエリアを特定することもできます。研究チームと協力して、患者団体は参加者のニーズに合わせて文書による通信や正確な教育を提供することに貢献できます。

臨床試験の遵守と保持

遵守不良の結果は両サイドにおいて重要です。第一に、患者は増加したリスクに暴露され、害を受ける場合があります。次に、患者は試験自体の完了に有害な影響を及ぼす場合があります。患者団体は服薬遵守の向上において好ましい影響を及ぼすことができます。臨床試験の結果の普及は患者をコミュニティーに参加させるために非常に重要なことです。臨床試験チームと患者、および患者団体の間のコミュニケーションは臨床試験に対する関心や積極的な参加を維持することに役立ちます。ソーシャルネットワークの利用の増加は臨床試験の参加に影響を及ぼす場合があります。

個々の支援と保護

患者団体は団体加盟者に情報を提供し支援する役割を有しています。患者は多くの場合、臨床試験の参加または参加の取りやめに関して個別の助言を必要としています。ほとんどの患者団体はそうした助言を自ら提供するリソースを持っていませんが、どこに行けば患者がそうした助言を得られるのかを提案することはできます。

添付文書

A2-4.21-V1.1