バイオシミラー

はじめに

バイオシミラー医薬品は、既に承認された生物学的医薬品の効果を模倣したもので、同じ疾病の治療を目的としています。バイオシミラーは、先発医薬品と同一とみなされる、従来のジェネリック医薬品と混同すべきではありません。

生物学的医薬品について

生物学的医薬品は、ある生物学的原料を用いた、またはある生物学的原料に由来する 1 つ以上の有効成分を含む医薬品です。上記の原料には微生物、動物の細胞、またはヒトの細胞が含まれる場合があります。一部の生物学的医薬品では、ヒトの体内で自然に生成されるタンパク質が模倣されています。たとえば、インシュリン、成長ホルモン、血液細胞の生成を制御する成長因子です。

バイオシミラーは生物学的医薬品のジェネリック版でしょうか?

ジェネリック医薬品は、先発医薬品の完全なコピーです。有効成分 (API)、用量、安全性プロファイル、投与経路、用途などが同じです。これは、先発医薬品とコピーであるジェネリック医薬品が生物学的同等性を持つことを意味しています。一方、バイオシミラーは生体から作られるため、先発医薬品とは少し異なる場合があります。はるかに大きな分子であるため、わずかな相違は作用機序に大きな影響を及ぼさない可能性があります。バイオシミラーでは、先発の生物学的医薬品と比べ安全性、純度、有効性に著しい相違は見られません。

バイオシミラーが使用承認を受ける前に (ジェネリック医薬品の場合とは異なり)、メーカーは臨床試験および非臨床試験を実施することが義務付けられています。上記の試験では、品質特性、生物学的活性、機能特性を示す必要があります。試験では、先発医薬品とバイオシミラーの薬物動態 (PK) 特性と薬力学 (PD) 特性を比較する義務があり、免疫反応のリスクを含め、安全性試験と有効性試験の結果において臨床的にベネフィットとリスクの著しい相違がないことを示す必要があります。

参照文献

  1. Procedural advice for users of the Centralised Procedure for Similar Biological Medicinal Products applications (http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/Regulatory_and_procedural_guideline/2012/04/WC500125166.pdf)
  2. European Commission:What you Need to Know about Biosimilar Medicinal Products (http://ec.europa.eu/DocsRoom/documents/8242/attachments/1/translations/en/renditions/native)
  3. EMA:Improving Understanding of Biosimilars in the EU (https://www.ema.europa.eu/en/news/improving-understanding-biosimilars-eu)

A2-1.06.11-v2.1